編集:現在はどういったお仕事をされていますか?
鈴木:為替のトレーダーです。自行の資金運用の一環として通貨のトレーディング(売買)を行い、収益を上げることがミッションです。各国の経済指標やニュース、噂まで世界中から集めた様々な情報と、チャートなどのテクニカル分析を元にマーケットの動向を判断。日本円に換算すると10億円以上の資金を動かしています。自分の裁量がそのまま結果に反映される仕事だけに、予測が的中し高い収益を上げられた時の達成感は大きいですね。
編集:前職も同じお仕事だったそうですが、大幅な年収アップのポイントは何ですか?
鈴木:邦銀から外資系銀行に移ったからです。この年収でも、外資系では決して高い方ではないんですよ。しかし、年収に比例して権限はもちろんリスクも大幅にアップしました。ロス(損)が許容される金額の限界点がルールとして決められているのですが、素早い判断ができずそのルールを守れないトレーダーも中にはいます。そういった、自分で仕事をマネジメントできない人はここではやっていけませんね。実際に職場を去っていった人を何人か見ています。
編集:厳しい環境ですね。転職する際、躊躇はなかったんですか?
鈴木:ええ。むしろ、そうした完全実力主義の環境に惹かれたんです。前職では与えられた権限が少なく、取引通貨や形態が限定されていました。仕事自体は面白かったのですが、女性ということもあって「どんなにがんばっても報われない」という頭打ち感もありました。それに比べれば、今の職場は男女平等で自分の力を自由に試すことができ、成果もきちんと認めてもらえますから。リスクがあるのは当然だと思っています。
編集:なるほど。ところで、前の銀行を退職した後いちどイギリスに留学されているそうですね。
鈴木:はい。将来的に、もっと自分の幅を広げたいと思って。語学留学をして、ケンブリッジ英検を5段階中のレベル4まで取得しました。以前勤めていた銀行のロンドン支店に再就職して働いた期間も含め、イギリスで4年近く生活しました。その間、趣味の旅行を存分に楽しむことができたのは嬉しかったですね!ヨーロッパを中心にこれまで27カ国訪れています。
編集:27カ国!すごいですね。旅行先ではどんな風に過ごされるんですか?
鈴木:休暇のたびに格安航空券に飛び乗って、ユースホステルにも平気で泊まるバックパッカーですよ。教会美術が好きなので教会がある国では必ず訪れ、美術館巡りもします。あとは、その国ならではの美味しい物を食べて…。他に趣味ですか?オペラやミュージカル、クラシック音楽など観劇にもしょっちゅう出かけますね。バレエにはロンドンではまりました。いいものを見て知識や教養を深めるのは自分への投資だと思っています。
編集:さすがは投資のプロ!お料理もお好きとか。お忙しいのに本当に多趣味ですね!最後に、何か今後の目標があればお聞かせください。
鈴木:もうすぐ結婚しますが、子どもが産まれても仕事は続けたいと思っています。そのために、今後フィナンシャルプランナーの資格を取って独立するか、それとも起業するか…。今はライフスタイルに左右されない仕事に就く道を模索中です。
留学して身につけたかに見える語学力も、実は昔から英語が好きで中学時代はNHKのラジオ放送を毎日欠かさず2年間聞き続けたという鈴木さん。頭脳明晰なトレーダーの素顔は、努力の人でした。何事に対しても地道な努力を怠らないからこそ、厳しい世界を勝ち抜く力を持っていらっしゃるのだと深く納得しました!(取材:M . Y 2006/10/4) |